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2018年7月16日 (月)

日食を追って『幻宮は漠野に誘う』

 また女装する羽目になって……
 金椛国シリーズの新章、『幻宮は漠野に誘う』。
 ずっと積読状態だったのですが、やっと読めた。
 読めたのはいいけど、主人公遊圭の苦労は続くよどこまでも的な新シリーズでした。
 せっかく外戚法が廃止されて、遊圭は男として宮廷の外に出られたのに、皇帝の妹、麗華公主が外国にお嫁に行くことになって、お付きの侍女としてついていく羽目に。
 しかも、義理の叔父である皇帝から国家的任務まで負わされて、遊圭こき使われすぎと思ってしまいました。
 日食の周期表を探すのが任務だけど、それを探すのに遠い国まで行かなきゃならないわ、目的地に着いたらついたで毒殺の危機にあうわ、周期表見つけたら見つけたで、日食の日がもうすぐで、それを知らせるために敵に狙われながら帰国。
 不吉とされる日食の日は、あらかじめ国民に知らせておかなくてはならないから、それができなかったら皇帝は廃位の危機。
 苦労して日食の日を知らせ、無事任務を終えて、元服した遊圭。
 これで平穏無事な暮らしに……と思ったら、第5巻が9月に発売予定?
 遊圭の苦労はさらに続く。
 
↓黒い太陽はいつ現れる?

幻宮は漠野に誘う 金椛国春秋 (角川文庫)

2018年7月15日 (日)

夏休みの研究にいかが?『古生物学者、妖怪を掘る』

 妖怪は生きていた?
 そんな帯に好奇心が湧いて、つい手に取ってみたのが『妖怪学者、妖怪を掘る』。
 著者はタイトル通り、古生物学者の荻野慎諧。
 文献を科学者の視点で科学書として読んで、妖怪の正体を明らかにするという、今までにないアプローチをしてます。
 妖怪についての本は、多少読んでますが、古生物が妖怪の元ネタとなったんだなぁと、目からウロコです。
 確かに鴉天狗の髑髏図は、イルカの頭蓋骨の化石に似ている。
 一つ目入道が一本足なのも、知らない人がクジラの骨格見たら、「うわっ! 妖怪だ!!」
と驚くでしょう。
 妖怪と古生物。
 違うようでいて意外な接点がありました。
↓あの妖怪の正体は……

古生物学者、妖怪を掘る―鵺の正体、鬼の真実 (NHK出版新書 556)

2018年7月14日 (土)

甘い毒の味は……『人魚ノ肉』

 人魚の肉を食べた者は、不老不死になる……
 八百比丘尼の伝説をモチーフに、幕末の京都で、坂本龍馬や岡田以蔵、新選組の面々が、人魚の肉を食べたがために陥る闇を描いた連作短編集『人魚ノ肉』。
 デビュー作が直木賞候補となった木下昌輝の作品だけど、そんなこと気にせず、ただ人魚の肉に振り回される人々の話が読みたかったので読みました。
 高橋留美子の「人魚の森」シリーズもすごかったけど、こちらの人魚の肉を食べた人たちの不幸に堕ちる展開がすごい。
 背筋がぞくぞく。
 特に、最後の話で斬首された以蔵の首が、首の番をしている男に語る人魚の肉について語り、人魚が蘇って海に帰還するとこなんて、怖かった。
↓人魚の肉の味は、蕩けるよう

人魚ノ肉 (文春文庫)

2018年6月29日 (金)

なつかしき昭和の探偵『探偵の誇り』

 おお、「霧の中の女」が載ってる!
 光文社文庫の『探偵の誇り』に、金田一耕助「~の女」シリーズの一遍、「霧の中の女」が収録されていたので、さっそく購入。
 収録されているのは、横溝正史以外の昭和の推理作家、泡坂妻夫、坂口安吾、高木彬光、陳舜臣、二木悦子というそうそうたるメンバー。
 だけど、他の作品すっとばして、真っ先に「霧の中の女」読んでしまいました。
 だって、旧角川文庫以外、読めないから。
 ストーリーは、宝飾店でおきた強盗殺人と連れ込み宿で起きた殺人事件に関わる女が、ストールで顔を隠した女だということ。
 目撃者は誰も犯人の顔をよく見ていなかったので、犯人捜しは難航していたけれど、偶然見つかった遺留品から、金田一耕助の推理が導き出した答えは……
 ちょっとネタ晴らしすると、犯人は二人。
 連続殺人事件と思いきや、まったく別の事件でした。
 そこが拍子抜けでしたが、長編なら連続殺人事件にしたでしょうが、短編だから、頁数の都合で別件とたのかしらね。
 それにしても、「~の女」シリーズ、全部まとめて出版してくれないかしら。
 角川文庫でだめなら、光文社文庫で出してください。
 と密かにお願い。
 さて、他の作品も読まなきゃ。
↓伝説の探偵の事件簿
 

探偵の誇り-日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集(6) (双葉文庫)

2018年6月25日 (月)

罪と罰『紅霞後宮物語』第八幕

 小玉どうなった!?
 毒で瀕死の状態の我らが皇后、小玉。
 『紅霞後宮物語』第八幕では、倒れた小玉の代わりに敵も味方も暗躍します。
 梅花は小玉のために謀ったことが、逆に小玉を傷つけてしまい、真相を探るうちに、皇帝の第一皇子鳳が黒幕だったと知ってしまいます。
 読者の私たちは知っていたけど、登場人物の面々が唖然呆然するの、無理ないなぁと読んでいて同情してしまいました。
 だから、小玉が鳳に対して文林に死罪を望んだのは、それだけの罪を犯した鳳を許せないというだけではなく、文林にそれを自ら言わせないための優しさ――愛を感じました。
 なんだかんだ言っても、この夫婦はお互いを思っているのは確か。
 そして、小玉はもう一人の罪人に罰を与える。
 その罰は、優しくて、慈愛に満ちていました。
 そして、別れを経て、小玉の皇后人生はまだまだ続く。
↓惨い罰と優しい罰

紅霞後宮物語 第八幕 (富士見L文庫)

2018年6月24日 (日)

改作か改悪か「王政復古期シェイクスピア改作戯曲選集』

 えええぇっ!
 ホントにハッピーエンドにしちゃってる!
 読み終わって思わず叫んでしまいました。
 改悪と名高いテイトの「リア王一代記」。
 どんなふうに変えているのか気になってました。
 『王政復古期シェイクスピア改作戯曲集』に収録されていたので読んでみたのですが、うわぁ、よくぞバッドエンドをここまでハッピーエンドにしちゃってると、思わず感動してしまいました。
 まず、登場人物の善悪の位置づけがシェイクスピアのオリジナルより明確にされています。
 改作では一貫して私生児の役名で呼ばれるエドモンド、ゴネリルとリーガンの悪役度が増していて、悪が滅びて善が栄えるという構図を見せたい意図を感じます。
 次に、フランス王の存在はまるごとカットして、コーデェリアとエドガーを恋仲にしてます。
 で、善人の二人は結ばれて、コーディリアが女王となり、リア王とグロスターがそろって隠居。
 めでたしめでたし――
 このテイト改作版が、長い間上演されていて、「リア王」はハッピーエンド物だと誤解されていたそうですが、観客の好みによって、物語は変えられるのだといういい証拠ですね。
 他の収録作は、「じゃじゃ馬ならし」の改作「スコットランド人のソーニィ」。
 オリジナルより男が女を調教――というより、虐待度がアップしているような……
 「リチャード三世」は、冒頭がヘンリー六世の殺害から始まり、クラレンス公ジョージがエドワード四世、マーガレット王妃、ヘイスティングスは登場させずにリチャードの王位簒奪の経緯をスピーディに、わかりやすく話を進めています。
 オリジナルではリチャードはリッチモンド伯ヘンリーとの戦いで、あっさり死にますが、改作版ではセリフの応酬して戦い、死にます。
 リチャードの最後の言葉が「馬よこせ!」だったオリジナルと、ヘンリーへの怨み言を言いながら死ぬ改作版では、オリジナル版の方が私は好きかな。
 「ヴェニスの商人」の改作「ヴェニスのユダヤ人」は、冒頭でシェイクスピアとドライデンの亡霊が登場して、面食らいました。
 解説によると、シェイクスピアの亡霊が出てくる趣向は、他の改作劇にも見られるとのことで、「改作してますよ」アピール感がします。
 で、ユダヤ人に対する人種・宗教差別、改作ではオリジナルより薄められている?
 いや、やっぱりシャイロック一人悪者扱いされている。
 一度心に染みついた差別意識は、時がたっても消えない怖さ感じます。
 シェイクスピア改作戯曲の翻訳を、初めて読んだわけですが、気になるのは、他の作品の改作。
 「ロミオとジュリエット」のハッピーエンド版改作はあるのか?
 もしあるのなら、ぜひ読んでみたいです。
↓改変の意味を問う 改作

王政復古期シェイクスピア改作戯曲選集

2018年6月22日 (金)

ウソかマコトか『世界を動かした「偽書」の歴史』

 文書は真実ばかり書いているとは限らない。
 それが偽書。
 偽書の内容が、笑い話ですめばいいですが、それが人の命を脅かすこともある――
 『世界を動かした「偽書」の歴史』は、人々を惑わせた偽書の数々を紹介してます。
 有名なマリー・アントワネットの手紙やシェイクスピアの未発表作、「武功夜話」「東日流外三群誌」、「未来記」等々。
 あの「東方見聞録」も見方を変えれば偽書というのは驚きました。
 まあ、「東方見聞録」は、マルコ・ポーロが書いたんじゃなくて、マルコの話を聞いた人が書いたのですから、筆者の想像も入るので、日本についての記述がトンデモな内容になってしまったのは、しかたないですけど。
 あと、「鼻行類」がはっきりと偽書だと断言されたのは、軽ーくショックでした。
 象のような大きな鼻を持ったネズミみたいな動物の観察記録誌ですが、平凡社ライブラリーで読んだ時、こんな動物いるわけないと思いながら、記録もスケッチも詳しかったので、「もしかして本物?」とうっかり騙されてしまいました。
 だって、訳者あとがきにも、「これはウソです」なんて書いていなかったし。
 現代はネットでフェイクニュースが大量に作られていて、著者曰く、これらのフェイクニュースも偽書の一種。
 フェイクが信じられてしまう心理やプロセスは、今も昔一緒ということでしょうか。
↓その情熱は真実

世界を動かした「偽書」の歴史

 

2018年6月17日 (日)

予想を裏切る展開『22年目の告白』

 地上波初放送『22年目の告白』、何気~に見初めて、すぐに内容に引き込まれてしまいました。
 殺人犯の手記がベストセラーになり、時効の為に逮捕できないジレンマを抱える刑事や被害者遺族の憎悪や、担当編集者の葛藤、それを魚でするような犯人の態度……
 元ネタは韓国の映画『殺人の告白』ですが、日本版の『22年目の告白』は、時効の撤廃時期を絡めているので、どうにか犯人を逮捕できないものかとヤキモキしてたら、実は手記を書いたのは犯人ではなく、被害者の関係者で、真犯人をおびき出すために他の遺族だけではなく、警察、日本全国民相手に大芝居をうっていた――という展開に、
「ええぇっ!?」
 と叫んでしまいました。
 その後、真犯人が見つかり、逮捕という結末はお約束ですが、面白かったです。
 この感動が熱いうちに、ノベライズも読んでみました。
 ノベライズの方は、映画よりも担当編集者が物語に絡んでいて、手記を書いた被害者遺族、刑事に寄り添っている感がしました。
 ラストで警察を辞めた刑事がファンタジー小説を出版し、サイン会を開きますが、そこに現れた人物に、サインする時の宛名が、涙が零れそう。
 映画は真犯人が殺害されてENDだったので、ショック大きいです。
 ノベライズの終わり方が、優しく愛情に満ちていました。
↓映画とノベライズ、どちらが好きかは、あなた次第、です。

2018年6月12日 (火)

青い鳥文庫の『オリエント急行殺人事件』

 児童書でクリスティ作品はどんな風にリライトされているのか。
 そんな疑問がふと湧いてきました。
 きっかけは、春にドラマ化された「黒井戸殺し」です。
 あの結末はポアロ、じゃなくて勝呂が真犯人に自殺を勧めているという、とんでもない最後です。
 児童書ではそのまま自殺を勧めるのか、それとも警察に自首することを薦めるのか。
 児童書では殺人事件の原作を改変するのか、しないのか。
 気になったので、本屋さんで青い鳥文庫の「アクロイド殺し」探したのですが、品切れでした。
 代わりに『オリエント急行殺人事件』読んでみました。
 内容はハヤカワ文庫のと変わりなかったです。
 今どきの児童書は、殺人事件でもオブラートに包んだりせず、原作を尊重しているようです。
 小学生向けなので、文章はやさしく丁寧です。
 これなら小学生だけではなく、大人も途中で放り投げることなく読めます。
 あと、登場人物の紹介とオリエント急行の車両見取り図、路線図も載っているので、とても助かりました。
 最近、人の名前覚えるのが大変で……
 
↓表紙がとってもカワイイ

オリエント急行殺人事件 (講談社青い鳥文庫)

2018年6月 9日 (土)

横溝正史の短編集『双生児は囁く」『喘ぎなく死美人』

 横溝正史ミステリ短編コレクション終わっちゃて、寂しい思いをしていました。
 が、角川文庫で購入可能な短編集がまだあったの忘れてました。
 灯台元暗しとはこのことかぁ。
 読もうとは思っていたけど、売っているからまだいいや、と油断してました。
 本は、読者が購入しないと、あっという間に品切れ絶版になってしまうから、危ないわ。
 ということで、『双生児は囁く』と『喘ぎ泣く死美人』購入。
 『双生児は囁く』は、短編コレクションの『刺青された男』に1作目の「双生児は踊る」が収録されているので、「踊る」を読んでから「囁く」の方を読むと、この作品はシリーズものなんだと言うことがより実感できました。
 他の収録作は、「蟹」がシャム双生児のことを扱っていて、後の「悪霊島」や、江戸川乱歩の「孤島の鬼」とイメージが重なり、背筋がぞくぞくするような……
 『喘ぎ泣く死美人』は、過去の殺人事件と幽霊が、短いページ数にまとめられていて、こんな夢見たら怖いと思いました。
 収録作の「憑かれた女」は、由利先生シリーズの同名作の原型ですが、由利先生のほうは読んでいないので、事件の解決の経緯がどのように改変されたのか気になります。
 この2冊で現在新刊で購入できる横溝正史の本はこれだけ……かと思ったら、ハードカバーでは、他の出版社から出ていたっけ。
 ……光文社の江戸川乱歩全集みたいに、横溝正史の全作品の文庫全集、どこかで出してくれないかしら。
 出版社バラバラだと、ハードカバーから文庫まで、サイズも違うし、置き場所に困りますね。
 悩みながらも、横溝正史作品を愛でるのでした。
↓巨匠の遺したもの

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