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2020年7月27日 (月)

覆面作家の遺した甘美な夢『黒猫館・俗黒猫館』

 『半島へ』などの作品を遺した稲葉真弓が別名義で書いた『黒猫館・続黒猫館』が新聞で紹介されました。

 美少女アダルトアニメ「くりいむレモン」シリーズのノベライズ作で、倉田悠子名義で書かれた作品を復刻したとのこと。

 あらすじは、昭和16年、書生募集の公告を見て応募した学生、正樹が訪れた洋館「黒猫館」で出会った奥様とお嬢様、メイドに惹かれ、爛れた愛欲の日々を過ごす。

 アダルトアニメが原作ですが、エロスシーンは流麗で品がある文体なので、いやらしさは感じません。

 現代のアダルト作家のほうが、もっと過激な作品だし。

 「黒猫館」が正樹が体験したリアル、現実を描いたのなら、前作の三十年後を描いた「続黒猫館」は、洋館での出来事や女たちに未練が残る正樹が見た夢、異界を描いた物語です。

 主人公の正樹や女たちの心情、感情の揺れが丁寧に描かれていて、『半島へ』とは違った面白さを感じました。

 復刻した星海社は、倉田悠子名義の作品を他にも復刊する予定らしいので、読んでみたいです。

 

↓愛ゆえに堕ちていく……

黒猫館・続 黒猫館 (星海社FICTIONS)

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