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2020年7月26日 (日)

お伽話的な幻想小説『人魚の嘆き・魔術師』

 谷崎潤一郎の『人魚の嘆き・魔術師』をやっと読めました。

 本屋さんに置いてなかったのでネットで購入。

 中公文庫のは、大正八年の春陽堂版の本を底本にしているので、水島爾保布の挿絵が当時の雰囲気を醸し出しています。(表紙は白井昂一だけど)

 

 「人魚の嘆き」は、

 むかしむかし、まだ愛新覚羅氏の王朝が、六月の牡丹のように栄え輝いていた時分、

 というお伽話的な一文から始まり、金持ちの息子である貴公子の紹介が続きます。

 両親は亡くしたものの、遺産ががっぽり受け継いだので、生活には困っていない。

 金に飽かせた怠惰な生活をおくるボンボンという印象です。

 しかし、異人から買った人魚の美しさに惑わされ、執着し、その美を愛でます。

 人魚は故郷の海に帰してと懇願しても、貴公子は人魚を手放そうとしませんでしたが、その美が失われそうになったその時になって、ようやく人魚を海に帰してます。

 人魚は元の美しさを取り戻し、海に帰って行きますが、その後貴公子はどうなったか。

 再び人魚に会えるのか、それとも永遠に会えないのか。

 

 「魔術師」は、摩訶不思議としかいいようがない。

 公園で術を披露する魔術師に魅了される観客たち。

 魔術師のいうがままに、己の身を差しだし、姿を変えます。

 語り部の男も、魔術師によって半羊神となり、魔術師のために踊り狂いたいと望みます。

 男の恋人も、男とともにあるために、我が身を半羊神に変えてもらい、頭の角を絡め合い、永遠に離れなくなった――

 これも愛の形?

 

 「人魚の嘆き」も「魔術師」も、答えの無いお伽話、終わらない童話という作品のように思えます。

 谷崎潤一郎の美への追究が垣間見られる初期昨ですね。

 水島爾保布の挿絵がぴったりだった。

 

↓悪魔的な美に魅入られた

人魚の嘆き・魔術師 (中公文庫)

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