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2019年5月16日 (木)

2019年5月16日 (木)

失われた作品がここにある『一九三四年冬――乱歩』

 『梔子姫』?

 江戸川乱歩の未発表作?

 今は亡き久世光彦が書いた『一九三四年冬――乱歩』が創元推理文庫で出ていたのを見つけて、思わず手に取りました。

 最初、集英社から出版されて、山本周五郎賞を受賞、直木賞の候補にもなったので、タイトルだけは知っていましたが、当時はそれほど乱歩に興味はなく、スルーしていました。

 改めて読んでみると、昔の私に言ってやりたい。

 なんで読まなかったんだー!

 こんなに面白かったなんて、読まずにいて損していた!

 で、今は読めて良かったと安堵しています。

 

 内容は、1934年、昭和九年の冬の出来事。

 人気作家、江戸川乱歩は雑誌「新青年」に「悪霊」を連載していたが、内容に筆が進まず、休載を繰り返していました。

 そして、とうとう家族にも編集部にも黙って家を出て行き、麻布のホテルに身を隠します。

 そのホテルでの4日間の出来事を書いたのが、『1934年冬――乱歩』。

 4日間乱歩が何していたかだけを書いていたら、読まなかったかもしれません。

 だけど、乱歩が書いた『梔子姫』という新たな作品が同時進行で進められています。

 ホテルでの乱歩の様子と『梔子姫』執筆状況と内容が、夢と幻が絡み合うように展開するので、読んでいて蜜の味がする毒を舌の上で味わうような思いになりました。

 もちろん『梔子姫』は久世光彦の創作で、乱歩が書いたものではありません。

 でも、乱歩の未発表作を久世光彦が見つけて、自作の中に組み込んだのではないかと錯覚してしまうくらいです。

 また、ホテル内での乱歩のちょっと、いや、とっても引く変態行為の描写が、まるで見てきたかのように書いているので、乱歩初心者には、「乱歩って、こんな人だったんだ」と思うと思います。

 乱歩の変態性は指摘されていることなので、そうしたこともひっくるめて書いた乱歩像に、久世光彦の乱歩愛をひしひしと感じます。

 ああ、乱歩の書いた小説が読みたくなった。

 

↓乱歩以上に乱歩らしい小説が秘められている

一九三四年冬―乱歩 (創元推理文庫)

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