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2018年6月24日 (日)

改作か改悪か「王政復古期シェイクスピア改作戯曲選集』

 えええぇっ!
 ホントにハッピーエンドにしちゃってる!
 読み終わって思わず叫んでしまいました。
 改悪と名高いテイトの「リア王一代記」。
 どんなふうに変えているのか気になってました。
 『王政復古期シェイクスピア改作戯曲集』に収録されていたので読んでみたのですが、うわぁ、よくぞバッドエンドをここまでハッピーエンドにしちゃってると、思わず感動してしまいました。
 まず、登場人物の善悪の位置づけがシェイクスピアのオリジナルより明確にされています。
 改作では一貫して私生児の役名で呼ばれるエドモンド、ゴネリルとリーガンの悪役度が増していて、悪が滅びて善が栄えるという構図を見せたい意図を感じます。
 次に、フランス王の存在はまるごとカットして、コーデェリアとエドガーを恋仲にしてます。
 で、善人の二人は結ばれて、コーディリアが女王となり、リア王とグロスターがそろって隠居。
 めでたしめでたし――
 このテイト改作版が、長い間上演されていて、「リア王」はハッピーエンド物だと誤解されていたそうですが、観客の好みによって、物語は変えられるのだといういい証拠ですね。
 他の収録作は、「じゃじゃ馬ならし」の改作「スコットランド人のソーニィ」。
 オリジナルより男が女を調教――というより、虐待度がアップしているような……
 「リチャード三世」は、冒頭がヘンリー六世の殺害から始まり、クラレンス公ジョージがエドワード四世、マーガレット王妃、ヘイスティングスは登場させずにリチャードの王位簒奪の経緯をスピーディに、わかりやすく話を進めています。
 オリジナルではリチャードはリッチモンド伯ヘンリーとの戦いで、あっさり死にますが、改作版ではセリフの応酬して戦い、死にます。
 リチャードの最後の言葉が「馬よこせ!」だったオリジナルと、ヘンリーへの怨み言を言いながら死ぬ改作版では、オリジナル版の方が私は好きかな。
 「ヴェニスの商人」の改作「ヴェニスのユダヤ人」は、冒頭でシェイクスピアとドライデンの亡霊が登場して、面食らいました。
 解説によると、シェイクスピアの亡霊が出てくる趣向は、他の改作劇にも見られるとのことで、「改作してますよ」アピール感がします。
 で、ユダヤ人に対する人種・宗教差別、改作ではオリジナルより薄められている?
 いや、やっぱりシャイロック一人悪者扱いされている。
 一度心に染みついた差別意識は、時がたっても消えない怖さ感じます。
 シェイクスピア改作戯曲の翻訳を、初めて読んだわけですが、気になるのは、他の作品の改作。
 「ロミオとジュリエット」のハッピーエンド版改作はあるのか?
 もしあるのなら、ぜひ読んでみたいです。
↓改変の意味を問う 改作

王政復古期シェイクスピア改作戯曲選集

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